オリンピック2大会連続のメダリスト平野歩夢さんの技の凄さはどこにあるのか、どんな食生活やトレーニングをしているのか徹底調査しました。
平野歩夢のエアーの高さの秘訣
平野歩夢さんの凄さは、回転だけでなくエアーの高さにあります。ファーストエアーが、既に他の選手よりも明らかに高い。
平野歩夢さん自身も自分の武器は高さであると認識し、小学校3、4年生の頃からファーストエアーの高さで他者を上回ることを意識してきたそう。高さのあるエアーが自身のスタイルなので、これからも変わらず高さにこだわっていきたいと語っています。
平野歩夢さんなぜあんなに高く飛べるのでしょうか。
スケートボードで感覚を鍛えたテイクオフ
出典: youtube
平野歩夢さんの高さの秘訣は、4歳の頃から続けてきたスケートボードにあります。父・平野英功が経営する日本海スケートパークで、スノーボードのハーフパイプと同じような形をしたスケートボードの設備で感覚を身につけました。平野歩夢さんのエアーは、テイクオフのタイミングが絶妙で、ギリギリのところで踏切っています。スケートボードは、スノーボードよりも繊細な感覚が求められるため、幼い頃からスケートボードをやってきたことにより、テイクオフのタイミングが体に染み込んでいるのですね。また、他の選手と比較しても着地にブレがない。ショーンホワイト選手と比較しても着地がスムーズで綺麗です。
無駄のないボトムラン
出典: youtube
一見さほどエアーの高さとは関係ないように思えるボトムランにも秘訣があるようです。ボトムランとは、エアーとエアーを繋ぐ滑走の部分を指します。平野歩夢さんも「ボトムランは結構気にしてますね」と語っています。無駄のないボトムランでスピードをキープして技に備えることが重要です。
平野歩夢の得意技
平野歩夢さんの得意技は、ダブルコーク1440(DC14)。縦2回転、横4回転の大技です。
平昌オリンピックではその大技ダブルコーク1440を2回連続で成功させています。
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- バックサイドエアーメランコリーグラブ
- フロントサイド・ダブルコーク1440
- キャブ・ダブルコーク1440
- フロントサイド・ダブルコーク1260
- バックサイド・ダブルコーク1260
上記のルーティンで銀メダル。一方、金メダルだったショーンホワイト選手のルーティンは、、、
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- フロントサイド・ダブルコーク1440
- キャブ・ダブルコーク1440
- バックサイドロデオ540
- ダブルマックツイスト1260
- フロントサイドダブルコーク1260
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ショーンホワイト選手もかなり似た構成。難易度的にはほぼ互角です。やや難易度がショーンホワイト選手の方が上だったという見方もありますが、しっかりとグラブ(板を手で掴む)ができている平野歩夢さんの方が上だったのでは、という見方もあります。
ソチオリンピックではこの大技はまだ未完成で、縦2回転、横3回転のダブルコーク1080(DC10)で銀メダルでした。ソチオリンピックで金メダルだったスイス代表のポドラドチコフ選手がダブルコーク1440を成功させて金メダルをとって以降、メダリストとなるにはダブルコーク1440が必須条件ともいえる状況になっています。今後はますます高難度化していくことが予想される厳しい競技です。
技を支える食生活とトレーニング
軽々と技をこなしているように見えますが、ハーフパイプは死と隣り合わせの競技。激しい転倒にめげない精神力と圧倒的な練習量に支えられています。
一度身につけたら結果を出し続けることができる競技ではなく、たったの一年で技の難易度が上がる厳しい競技。その変化に置いていかれないように成長続けなければ名を残し続けることはできません。毎日が試練であるかのように、ハードなトレーニングを積み重ねてきました。雪の上で練習できるシーズンでも、雪の上で練習したあとで、夜はジムでトレーニングをし、リフレッシュにスケートボードをしているそうです。
特に、平野歩夢さんの腹筋は深く刻むように割れています。腹筋は、圧倒的な高さからの着地の衝撃に耐えるために必要不可欠なのだそうです。
実際にトレーニングを積むことも大切ですが、「イメージ」をするのことも大切であると語っています。
平野歩夢さんは、2017年USオープンで、左膝の内側側副じん帯と肝臓を損傷する全治3ヶ月の大怪我を負っています。そのリハビリの間に、今までは感覚的にこなしてきたことを一つ一つ具体的に言葉で説明できるようになったこと、イメージを持てるようになったことは大きな前進だったそうです。
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平野歩夢さんは苦手な食べ物に「梅干し」を挙げていますが、上図のinstagramにアップされたお母さんが作ったの弁当には、バッチリ梅干しが入っています。
梅干しには疲れを溜めにくい効果があると言われている「クエン酸」が含まれています。スポーツ選手がよくレモンを噛んだりしますが、そのレモンの2.5倍のクエン酸が含まれていると言われています。お母さんは、息子が疲労を溜めないようにあえて苦手な「梅干し」を入れているのかもしれません。
また、ソチオリンピックから平昌オリンピックまでの期間、一日一食だけに制限し、飲み物は水だけを飲んでいたそうです。
「炭酸飲料を飲まずに水しか飲まない」食生活は、師匠だと慕う國母和宏さんから教わったものだそうです。
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